今回は『自分に前科があるか調べる方法は?戸籍に記載される?』というテーマです。
海外旅行や就職の時気になりますよね。
分かりやすく解説していきます。
※私自身は法律の専門家ではありません。ネットで専門家の発信している情報を集めて、分かりやすくまとめました。
前科とは?
一般的に前科とは『起訴されて、裁判所で有罪判決をうけた』過去があることです。
【逮捕 or 書類送検】→【起訴】→【裁判】→【有罪判決】までいって、前科がつきます。
車の運転違反の罰金などだけでは、前科はつきません。
書類送検されても、不起訴になったり、裁判で無罪判決になれば前科はつきません。
くわしくは過去記事を見てください。
前科はどこに聞いても教えてもらえない
自分に前科があるか調べる方法ですが、簡単に知ることができません。
前科はどこに聞いても教えてもらえません。
『前科は必要不可欠な場合を除き、自分でも他人でも知ることはできない』という認識でOKです。
家族、就職先の会社などでも同じで、一般の人では情報を入手できません。
前科は戸籍に記載される?
前科や犯罪歴などが戸籍・住民票に記載されることはありません。
しかし、罰金以上の刑を受けた人は本籍地の市町村役場の犯罪人名簿に記載されます。
犯罪人名簿は一般人では見ることができません。本人が頼んでも見せてくれません。
この名簿は【資格が必要な職に就く】か【選挙権・被選挙権があるか】を調べる時に参考にされます。
犯罪人名簿は一定期間で消される
犯罪人名簿は一定期間で消されます。
刑の執行から【罰金以下の刑は5年】【禁錮以上は10年】で犯罪人名簿から消されます。
ただし、5年または10年以内に罰金以上の刑に処された場合は、犯罪人名簿に名前が残ります。
参考となる刑法を載せておきます。
刑法
(刑の消滅)
第三十四条の二 禁錮以上の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで十年を経過したときは、刑の言渡しは、効力を失う。罰金以下の刑の執行を終わり又はその執行の免除を得た者が罰金以上の刑に処せられないで五年を経過したときも、同様とする。
2 刑の免除の言渡しを受けた者が、その言渡しが確定した後、罰金以上の刑に処せられないで二年を経過したときは、刑の免除の言渡しは、効力を失う。
前科は消えない
犯罪人名簿は役場にありますが、前科(有罪判決の記録)は検察庁にあります。検察庁の前科は、その人が死亡するまで消えません。
その記録は、検察官または検察事務官だけしか見ることはできません。
ネット検索と探偵
最後にどうしても自分の前科を知りたいと思った時の方法を紹介します。
1つはネット検索です。
2016年に『googleで名前検索すると逮捕歴が出てくる』と検索結果の削除を求めた人が敗訴しました。
裁判所は『プライバシー権に基づいてネット上での削除が認められる場合はある』とした上で、この事例については削除の必要はないと判断したそうです。
賛否あるでしょうが、まずはネットで調べてみるのがひとつの方法ですね。
もう一つは探偵に頼むことです。
私もくわしくはないのですが、探偵は新聞やネット・地道な聞き込みをして、逮捕歴や前科を調べるそうです。
ただ中には悪どい探偵もいるんだそうです。詐欺まがいの行為にひっかからないように気をつけてくださいね。
おわりに
以上、『自分に前科があるか調べる方法は?戸籍に記載される?』でした。
最後にもう一度まとめておきます。
■前科は必要不可欠な場合を除き、自分でも他人でも知ることはできない
■前科は戸籍には記載されないが、本籍地の役場の犯罪人名簿に記載される(一般人は見ることはできない)
■検察の記録はずっと残るが、検察官以外見ることはできない
■どうしても知りたい時は『ネット検索』か『探偵』
では、今回はこの辺で。