えも言えぬの意味や語源についてわかりやすく説明します。『えも言われぬ』との違い・使い方例なども解説していきますね。
目次
えも言えぬの意味
えも言えぬは『言葉にできない』『なんとも言えない』という意味です。
良い意味でも悪い意味でも使うことがあります。前後の文章を読んで、良い意味なのか悪い意味なのか判断してみてください。
『えも言えぬ』と『えも言われぬ』はどっちが正しい?
『えも言われぬ』という表現の方が一般的です。『えも言われぬ』が変化して『得も言えぬ』という形になったと言われています。
ただ『えも言えぬ』も間違いではありません。『言葉はいきもの』といわれるように、少しずつ形が変わっていくのはむしろ自然なことです。
辞書を調べてみると両方記載されている場合と、『えも言われぬ』だけが記載されている場合があります。ネットで言うと、Weblio辞書には両方記載があり、goo辞書は『えも言われぬ』だけが記載されていました。
えも言えぬは漢字で書くと『得も言えぬ』
えも言えぬは漢字で書くと『得も言えぬ』です。ただ辞書を見ていくと、漢字表記が無いものもあります。ひらがなが正式なものと考える人もいるみたいです。
えも言われぬの語源
えも言えぬの原型とされる『えも言われぬ』の語源を調べました。2つの説がありましたが、知識が乏しいので正解か分かりませんでした。2つとも紹介しますね。
『え~ず』で『~することができない』
こちらの意見の方が多かったです。
え~(打消しの助動詞『ず』)で『~することができない』という否定の意味になります。この場合の『え』は陳述の副詞です。
↓
言葉にできない
を語源とする説です。
感動詞『え』+強調の副助詞『も』
もう一つが感動詩『え』+強調の副助詞『も』が語源という説です。
感動詞というのは感動・返事などの言葉のことです。すごく美味しいものを食べたときに『ああ…』って漏れ出るアレです。
それに強調の副助詞『も』がつくことで
↓
言葉にできない
を語源とする説です。
ちなみに私はこちらの感動詞『え』説を推します。色々調べるとこっちの方が腑に落ちる気がしたので。
えも言えぬの使い方
えも言えぬの実際の使い方を見ていきましょう。
一人の漁師がえも言えぬ香りに惹かれ誘われる
橋幸夫『松』より引用
現れたそれは春の真っ最中 えも言えぬまま輝いていた
米津玄師『春雷』より引用
えも言えぬの類語
えも言えぬと似た意味をもつ類語を紹介します。
■筆舌に尽くしがたい
■言葉もない
どちらも言葉にできないという意味ですね。良い意味でも悪い意味でも使われる言葉です。
以上。えも言えぬの意味や語源をわかりやすく説明します!でした。
曲がりなりにも文章を書いている身としては、『言葉にできない』はなるべく書きたくなかったりします。『言葉にできる』に注目していきたいです。
とはいえ、言葉にできないことだらけですけどね。